揉めてますね、裁量労働制。

裁量労働制

与党がどうしても目指したいとがんばっている裁量労働制の拡大。経団連がベース賃金アップの見返りに与党に「裁量労働制の拡大を押し通せ!」と圧力をかけているそうで。

なんかそういう取引とかで政治するの本当にやめてほしいですね。

最近サンプルの労働時間データがあまりにテキトーだったことが判明し、大層問題になってますよね。もうー、これだから政治家ってやつは・・・。

 

裁量労働制とは

裁量労働制は、働き方の形態のひとつです。自分の裁量で労働時間を決めていいという雇用形態で、簡単にいうと仕事さえちゃんとやってくれれば労働時間いつでもいいよ、という働き方です。海外のクリエイティブ職では積極的に採用されています。

【労働時間の扱い】
一般的な労働体系だと1日8時間勤務で出社は何時からというふうに決められていることが多いかと思いますが、裁量労働制は労働時間を自由に決めることができます。朝6時に出社して3時間仕事して朝9時に退社することも可能です。与えられた仕事さえキッチリこなしていれば、時間帯も、実働時間も思いのままなのです。

【給料の扱い】
一般的な勤務体系だと定時ぶんの給料に加えて時間外労働に対する残業代が支給されます。裁量労働制は時間に対して評価する概念がないので、月の労働時間が100時間の場合でも200時間の場合でも給料は最初に設定された金額から変動することはありません。

 

裁量労働制って実際どうなん?

政府が必死こいて拡大を進めようとしていますが、拡大するべきか、見送るべきか、いろんな議論がされています。先日の調査では過半数が拡大に反対とのことでした。

 
 
私は裁量労働制に拡大については答えは「ノー」ですね。

 
実は、私も過去に裁量労働制が採用されていたIT企業に勤めていました。

 
 
まず、入社した1年目からいきなりの裁量労働制です。つまり入社初日から裁量労働。新入社員がいったいどうやって自分の裁量で働けというのか(笑)もうスタートから疑問符がいっぱい。

 
研修終了後に配属された部署は、お客様の保守をする部署でした。営業時間中は常にお客様から問い合わせの入電があるという理由で「9時~17時半は必ず社内にいなければならない」という部署独自のローカルルールがあり、それに従いました。

素敵だね!
自分の裁量で働ける裁量労働制!

 
 
朝礼後にすぐの時間帯に喫煙室にいたら、部長に「朝イチからなに休憩してんだ。さっさと席に戻れ」と怒られました。

素敵だね!
自分の裁量で働ける裁量労働制!

 
 
毎月必ず定例ミーティングがあり、開かれる時間はだいたい夜20時からでした。出席はもちろん義務です。

素敵だね!
自分の裁量で働ける裁量労働制!

 
 
客先からの打ち合わせを終えて19時に会社へ戻ったら、明日朝9時に再度訪問するから「設計書15枚それまでに間に合わせておけ」と命令され徹夜でがんばって仕上げました。

素敵だね!
自分の裁量で働ける裁量労働制!

 
 

自分の体験した「裁量労働制」の職場はこんなでした。裁量らしきものはゼロ。あるのはどんなに深夜まで働こうが、翌朝まで働こうが残業代ゼロという事実だけです。ただの残業代未払いを正当化するためだけの法律にしかなっていなかったのです。

これ、たまたま運悪くブラックな会社にあたってしまっただけでしょうか?
たまたま何百社に1社の裁量労働制悪用会社にあたってしまっただけでしょうか?

自分はそうは思いません。こんなの氷山の一角だと思います。おそらくもっと劣悪な環境でもっと劣悪な労働を強いられている人は星の数ほどいることでしょう。

過労

 
 

裁量労働制自体は悪い仕組みではないんですよ。
問題なのは、今の日本企業では裁量労働制は使いこなせないということ。

もともとクリエイティブ職に向いているシステムなんですよね、裁量労働制って。デザイナーとかね。短時間でも素晴らしい成果を上げる人間を優遇するシステムなので、クリエイティブ系でガンガン成果を上げられる人に対しては非常にありがたいかもしれません。

午前中で仕事をささっと終わらせて家に帰り、午後にはリア充ライフを満喫できて、それでお金もちゃんともらえるならそれは夢のような話です。

 
でも世の中にある大抵の仕事ってそうじゃないんですよ。

 
お客さんありきの仕事であればお客さんの都合に合わせる必要がありますし、朝礼や社内ミーティングなど、拘束が必須になるものもあったりします。そもそも上司がガリガリ仕事してるときに新人がサクッとはや上がりしていい文化じゃないんですよね日本って。「成果を上げたから帰ってOK!」が簡単に実行できる環境じゃないんです。

 

いまの日本にはまだ早い

裁量労働制はいまの日本にはまだ早い

とりあえず、いまの日本にとってはまだ広めてはいけない法律だと思います。会社のことを気遣い、相手の事を気遣う文化が良くも悪くも発達しすぎている日本の企業。「上司がまだ仕事してるのに部下の自分は帰りづらい」という空気が1ミリでもある職場では、裁量労働制は向いていません。

フリーランスになった自分にとっては無縁のことではありますが、いまでもニュースで「裁量労働制」って単語を耳にするだけでピクッと反応してしまいます。一瞬過去のトラウマがよぎるというかなんというか(苦笑) もしあなたがサラリーマンで身近で裁量労働制を推進する動きがあるようなら全力で止めることをオススメします。

健全な環境で、健全な働き方を目指しましょー。