友達相手でもフリーランスは無料で働いてはいけない

フリーランスは無料で働いてはいけない

今回はちょっとしたフリーランスあるあるの話。これはホームページ制作に限ったことではありませんが、何かしら仕事にできる長所を持っていると、友人から「ねぇ、ちょっと相談があるんだけど・・・」という連絡が入ることがあります。

自分の場合はもちろんホームページ作成の相談。頼りにして連絡をくれるのはありがたいことなのですが、実はこういうケースは非常に要注意です。

なぜかというと、その友人は仕事の依頼ではなく頼みごとのつもりで連絡をくれているケースが往々にしてあるからです。無料でやってくれるだろうと思われているときもありますし、たとえお金を考えていてくれた場合でも「料金」ではなく「謝礼」のニュアンスで捉えていて額は少ない場合が多いです。

こういった相談にどう対応するか。これはフリーランスで仕事をする方なら一度は経験するところだと思います。

 

忘れてはいけない、 「技術は有料」であるということ

技術は有料であるということ

無料でやってくれると思っている人に共通しているのは「技術が有料」という認識が欠如していることです。

ホームページであれば、時間をかけて知識と経験を積んできたからこそしっかりしたホームページが作れるわけで。これはどんな仕事に就いている人でも同様です。みんなそれぞれの技術を長い時間をかけて磨き上げてきて、今の姿があります。

 

よくある有名な例えとしては、こんな画家のお話があります。

 

友人 「絵を依頼したいんだけど」

画家 「いいよ」

( ~ 1時間後 ~ )

画家 「できたよ」

友人 「1時間で書けるんだ。 じゃあお金は1,000円でいいよね」

画家 「・・・は?」

友人 「簡単そうにスラスラ描いてたし、いいでしょ?」

画家 「じゃあ自分で描きなよ」

友人「描けないよ。だって絵が上手くなるまでにすごい時間かかるじゃん。」

 

 

画家がスラスラと1時間で絵を仕上げられるのは、これまでに訓練してきた技術があるからです。スラスラと描けるようになるまでには膨大な時間と費用をかけてきています。友人はそれに考えが及ばず、実作業にかかった時間だけを見てアルバイトの時給換算のように「1,000円」という金額を提示してきたわけです。

挙句の果てには、自分がこれから訓練するのは大変だという認識はなぜかちゃんと持っているという。じゃあ相手のこれまでの訓練時間の大変さも理解しろよっ!的な。

例えとは書きましたが、実際にこういったやりとりはよくあります。ほぼこれと同じ話を体験談として語っているイラストレーターさんもいました。

 

じゃあ引き受ける? 引き受けない?

決断

さっきの例え話だと友人が一方的に悪いように感じますが、ぶっちゃけて言えば仕方のないことだと思うんです。何か頼みごとがあって、それが近場でできる人がいるのならば相談先に選ぶのは自然な心情ですし、比較的割安でやってくれるだろうと期待してしまうのも無理はありません。

大抵の場合は悪意なく無意識で頼んでいるんだと思います(あくまで大抵の場合)。その気持ちを汲んだ上で、引き受けるべきかどうかを正しく判断しましょう。

 

やってあげたい気持ちが自分にある場合のみ引き受ける

愛があるなら引き受けてもよい

たとえ無料であったとしても、自分がやってあげたいと強く感じるのであれば引き受けていいと思います。たとえば親しい友人や恩人からの特別な頼みで、損得勘定まったく抜きで引き受けてあげたいときとか。

自分の気持ちが「仕事としてではなく、ただその人の力になってあげたい」 というときには、遠慮することはありません。快く引き受けましょう。

 

それ以外は引き受けてはいけない、理由は3つ

1.次の仕事につながるかも・・・つながりません!

とりあえず今回は無料(もしくは低価格)でお試し的に引き受けてあげようかな、と思うときもあるでしょう。今回はお金は期待できないけど良い仕事っぷりを見せておいて、次回の仕事に繋げていこうという考え。

はい、甘いです!

99%相手はそんな風には考えていません。今回まともにお金をもらわずに引き受けたのであれば、次回も同様。相手は今後も同じ条件でやってくれると思っているでしょう。ひたすら割に合わない仕事が舞い込んでくるだけの無限地獄に陥ります。

 

2.自分の価値を下げた後には先がない

無料(もしくは安価)で仕事を受けるということは、本来の自分の仕事の価値を下げて仕事を受けるということです。自分の仕事の本来の価値はいくらですか? たとえば自分のスキルに3万円の価値があるのであれば、それに見合った金額3万円をちゃんと頂きましょう。

かつてマクドナルドや牛丼チェーン店がこぞって低価格争いをしましたが、最終的にはお互いに消耗し合って赤字を築くだけでした。自分の身を切って安くサービスを提供しても、相手が「ありがたい」と思ってくれるのは最初だけで、すぐにその価格を当たり前に捉えるようになります。

 

3.業界全体の衰退につながる

「安くやってあげる」が日常的になると、相手からするとその仕事は「たいしたお金を払わなくていい仕事」に成り下がります。それが一人、二人のうちは影響ないかもしれません。しかしそれが「安くやってくれるって紹介されて来ました」といった形でどんどん広まっていけば、話は別です。その業界は着々と「お金が取れない業界」に変わっていってしまいます。

顕著に思うのはテレビのエキストラの仕事ですね。テレビドラマの通行人役とかの。ああいったエキストラの日給は、丸一日拘束されて3000円しかもらえないなんてことも普通です。最悪ボランティアで0円の場合もあります。法的な最低賃金とかあったもんじゃないですよね。

それでも成り立っているのは「とりあえずテレビに出たい」「先につながるかもしれない」といって、そのおかしなギャラ設定でもやっちゃう人がいるからです。やってくれる人がいるなら、雇い主側もそれ以上のお金を出そうと考えません。結果的に業界全体で価格破壊を起こしてエキストラ自身が「エキストラ仕事では食っていけない」状況を作ってしまっているわけです。

 

まとめ

趣味でやってるならまだいいですが、フリーランスとしてきちんと仕事にしているならば、基本的にはしっかりと正当な料金を頂きましょう。友人の頼みだとお金の話をしづらいのはこれ以上ないぐらいにわかりますが、それで自分の生活が圧迫されてしまっては元も子もありません。

お金の話はあとに引っ張るほどしづらくなります。友人から相談の第一声の時点で「引き受けるならお金は頂かなきゃだけどそれでもいい?」としっかりと言いましょう。早めにはっきりと伝えてしまったほうが後々トゲになりにくいです。

自分の仕事にプライドを持って、正しい引き受け方をしていくようにしましょう。

 

追記: もし自分が頼む立場になったときは気を付けよう

逆に自分が頼む立場になったときには、無神経に振る舞ってしまわないように気を付けたいところです。

イラストレーターに「ちょっと絵を描いてくれ」
美容師に「ちょっと髪切ってくれ」
整体師に「ちょっと揉んでくれ」
作曲家に「ちょっと曲作ってくれ」

そのジャンルで飯を食べているプロに対して無料前提でお願いするのはすべて失礼です。こういったお願いに対して「いいよ」と返事をしてくれる人もときにはいるかもしれませんが、内心では実は困らせているかも。本当に友人なのであれば、その技術に対してしっかりと価値をつけるべきではないでしょうか?

気をつけましょー!